
地域の「知の拠点」である図書館が、建物の老朽化や専門司書の不足、書籍価格の高騰という三重苦に直面し、閉館が全国で相次いでいる。これにより地域社会の学びの場やコミュニティ機能が失われる恐れが強まり、識者の間からは「知的水準の低下」を危惧する声が上がっている。
東京都清瀬市の原田博美市長は4月、旧市立中央図書館の再開を断念する方針を表明した。理由として、解体工事の中断問題に加え、人件費など維持費が1日約100万円かかる財政的負担が大きく、再開が困難と判断したという。
清瀬市は昨年、老朽化などを背景に6館あった図書館のうち4館を閉鎖していた。原田市長は選挙で図書館再開を公約に掲げて前市長を破り当選したが、就任早々、現実的な壁に直面した形だ。
この問題は清瀬市に限らず、全国の自治体で共通する課題となっている。専門知識を持つ司書の確保難に加え、物価高騰で書籍の価格が上昇し、図書館の運営予算を圧迫している実態が浮き彫りになっている。
図書館の閉館は、地域の知的水準の低下につながるとして、専門家からは警鐘が鳴らされている。自治体は限られた財源の中で持続可能な図書館運営の方法を模索しており、早急な対策が求められている。